都道府県/24年度予算案出そろう、29都道府県で投資的経費増
都道府県の2024年度予算案が22日に出そろった。普通建設事業費などを含む投資的経費は29都道府県で23年度(当初予算ベース)を上回った。公共施設の長寿命化や、自然災害に備えたインフラの機能強化に取り組む自治体が目立つ。能登半島地震で深刻な被害を受けた地域を抱える石川県は、骨格予算ながら23年度比約4・5倍の金額を計上。インフラの再生や住民の生活再建などに取り組む。 23年度が骨格予算だったため補正予算による肉付け後の金額と比較した自治体は北海道のほか神奈川、山梨、福井、奈良、鳥取、徳島、大分、宮崎の8県。投資的経費の増加率が2桁となったのは千葉、愛知、岐阜、滋賀、香川、宮崎の6県と大阪府だった。 石川県は骨格編成となったが、投資的経費に4542億円を計上した。うち道路や河川、港湾など土木公共施設の復旧に4142億93百万円を充てる。医療機関や社会福祉施設の復旧に49億53百万円、県立学校の再建に14億50百万円を配分した。 能登半島地震を踏まえ、南海トラフ地震への備えを一層強化する自治体が多い。高知県は地震対策強化費として20百万円を計上し、建物倒壊や孤立が予想される地域などを調べる。市区町村が策定する事前復興まちづくり計画を支援する経費に60百万円を確保した。和歌山県は173億73百万円を投じて幹線道路網の整備を推進。津波に対応する堤防整備には11億円を計上した。 防災・減災関連では、東京都が防災対策のレベルを上げる「TOKYO強靱化プロジェクト」をさらに推進するため、23年度比約250億円増となる7609億円を振り向けた。地下調節池の建設に引き続き取り組むほか、中小河川の整備にも注力する。 「防災県」の確立を掲げる千葉県は337億59百万円を投じ、河道の拡幅や護岸改修、ダム施設の更新、海岸保全などを加速する。九十九里平野の南部を流れる一宮川流域では、61億15百万円をかけて河道掘削など浸水対策を進める。岐阜県は東海環状自動車道(西回り区間)のICアクセス道路の整備を推進。防災・減災効果に加え地域活性化にもつなげる。関連費用として21億40百万円を確保した。 大阪府は2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の会場整備に269億65百万円を計上。催事場など施設を建設するとともに、植栽や舗装工事も行う。 国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会を控える滋賀県(25年開催)や宮崎県(27年開催)では、関連施設の整備費などが数字を押し上げた。滋賀県は大会のメイン会場となる彦根総合スポーツ公園(彦根市)の整備事業に2億58百万円を計上した。宮崎県も県有スポーツ施設整備などを目的とした事業に197億円21百万円を充てた。 スポーツ関連施設を巡っては香川県も県立アリーナ整備事業で本体工事や備品整備を進める。愛知県も新体育館(愛知国際アリーナ)などの建設費用を増やした。
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