国土交通省/供給網全体で価格上昇分転嫁を、実勢価格に見合った見積もり徹底
斉藤鉄夫国土交通相は2月29日に首相官邸で開かれた経済財政諮問会議(議長・岸田文雄首相)に出席し、建設業の人材確保につながる賃上げ実現への価格転嫁対策について説明した。建設業の元請、下請ともに材料費の高騰分や労務費の上昇分を価格転嫁できておらず経営が圧迫されている現状の打開を訴えた。 会議では企業の設備投資意欲が高い一方で、実際の設備投資には結び付いていないという課題を出席者で共有。その中で、建設業などで人手不足感の高まりを要因とする指摘があった。 これに斉藤国交相は「資材高騰を受けて事業計画で想定していた予算では工事発注ができず、当面スケジュールを先送りしている事案が増えていると聞いている」と建設業界の実情を説明。国交省として、まず最新の実勢価格に見合った見積もりを徹底するよう発注者に呼び掛け、さらに予算に見合った工事内容への見直しや、資材高騰に伴う変更条項の設定などを促しているとした。 続けて斉藤国交相は、建設生産を支える現場技能者の人材確保を一層進めていくためにも、サプライチェーン(供給網)全体で材料費などの上昇分の価格転嫁を進めることが重要と指摘。今国会に提出予定の建設業法改正案で、契約書に価格高騰に伴う代金変更の方法を定めることをルールとし、変更契約を通じて価格転嫁の原資を確保。まずは発注者と元請が結ぶ契約で適正な額の材料費や労務費を確保し、その上で下請まで行き渡らせる必要があると説いた。 会議の締めくくりで岸田首相は斉藤国交相らに対し、所管分野で投資の制約要因の検証と、それに基づく対応を行うよう指示した。
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